生化学とは、生命現象を科学的に研究する分野です。生物と化学が融合した内容ですので「生物化学」とも言います。この分野は大学の教養で一般的に学び、さらにくわしく学ぶのであれば医学、歯学、薬学、理学、農学などの学部となります。

生化学とは何ですか?

生化学と言っても範囲が広いので、学部で学ぶうちに自分にあったものを研究していきます。多くは医学系の分野に属しますので、医療系の学部では人体で起こっている現象を生化学分野で説明します。例えば、神経細胞がどのようなメカニズムで作用しているのか、生体内酵素の働き、ホルモンの作用機序、嗅覚聴覚視覚の感覚器官のメカニズムなどたくさんのカテゴリーに分かれます。薬学では薬が体内でのどうように働き、どのように代謝されるのか、副作用のメカニズムはどうなのか、など薬という物と体内という生命との関連に、この分野が関わってきます。つまり薬を作るうえでこの分野の応用を必要とします。理学部では化学や生物を専攻する人が深く学んできます。有機化学を学ぶうえで役立ってきます。生体は有機化学ですのでどうしても生命との関連を外すことはできません。農学では農薬が植物に対してどのように作用するのか、植物や作物の成長を学ぶうえでやはり欠かせません。以上のこれらの基本となるのは小学生の理科で学ぶことになります。生体内の働きを化学的に知るうえで、この学問の存在は欠かすことができないのです。つまり生物学現象に化学的な現象を付け加えたものが生化学なのです。身近なものを説明するときにもこの分野は役立ってきます。広範囲な学問ですので案外面白い分野でもあるわけです。医学から農学まで理系に属するため多くの研究者がおり、それぞれの分野で活躍しています。最近は女性が活躍していますので、男女約半々の比率になっています。研究するには試験管やピペットといった器具を使うことは少なくないです。加えて白衣姿をすぐに思い浮かべるでしょう。研究自体の成果は目に見えなくても、縁の下の力持ちと言うくらいにいろいろな分野に垣根を広げ、人類に役立っています。それらの成果としてノーベル医学・生理学賞を受賞したほとんどは生化学分野の方々です。人類に大きく貢献した証なのです。これからもこの分野は垣根を越えて人類に大きく役立っていきます。日本人も優秀な研究者がたくさんおり、ノーベル医学・生理学賞の候補者が現在数名います。今後も期待が十分に持てるのがこの分野なのです。