物質中の原子同士やイオン同士を結びつけたり、分子同士を結びつけることを「化学結合」と言い、これらがお互いに集合することで分子や結晶を作ります。この化学的な結びつきには、共有・金属、そしてイオンの三種類があり、その他にもさらに分子同士の結びつきには、配位・水素といった種類があります。私たちの生活にも身近なこれらの現象について、簡単に説明してみたいと思います。

化学結合

まず、共有結合とは、原子がお互いに価電子(不対電子)を出し合って、電子対を共有して生じる結びつきのことで、主に非金属同士で起こります。これによって生じるのが共有結合結晶で、極めて硬い物質を形成し、ダイヤモンドや黒鉛・二酸化ケイ素等の物質が有名です。この結びつきはたいへん強力で、融点や沸点が非常に高く、水には溶けないという性質があるのが特徴です。常温では気体や液体のものも多く存在しています。補足ですが、不対電子とは電子式を描いたときにペアーになる電子を持っていない電子のことを言います。

また、金属結合とは金属間で起こり、原子核を離れて自由に動きまわれる電子「自由電子」を原子核が放つことで結びついています。この自由電子が動き回り、この間に働く静電気力によって起こるもので、回りと電子を共有しているによって結びつきが切れにくく、たたいて伸ばすと薄く広がって変形する「展性」や細く長く引き延ばされる性質「延性」といった独特の特徴を持っています、また、熱伝導性や電気伝導性があり、自由電子が光を反射するため、金属光沢があるのも特徴です。結晶は体心立方格子・面心立方格子・六方最密構造のいずれかに属しています。また、一般的に沸点や融点は高いものの、亜鉛や鉛のように比較的低いものもあります。ちなみに、水銀は常温で唯一の液体金属です。

そして、残るイオン結合とはマイナス電荷を持つ陰イオンと正の電荷を持つ陽イオンの間で静電気的引力(クローン力)によって繋がっていることを言い、金属と非金属からなる化合物の多くはこの結びつき方をしています。繋がる力は強いため、一般的に沸点と融点が高くて、硬いが脆く・われやすいのが特徴です。また、結晶は電気を通しませんが、加熱融解したり水に溶けるとバラバラになり、電気を通すようになるという特徴も持ちます。また。この結晶は、常温ではほとんどが固体です。私たちの生活にも身近な化学。この記事によって興味がわいてきたという方は、化学を学んでみてはいかがでしょうか。