なぜ化学物質が問題なのか

化学物質は私たちの生活を豊かに暮らしやすく変えましたが、その反面、問題となることも出てきています。化学物質が問題となっているのは、私たちのごく身近な生活に使用されていることに原因があります。例えば、化粧品や洗剤などに界面活性剤が使用されたり、食品の中に添加物が加えられていたり、医薬品に使用されるなど、体の内部に取り込み、蓄積されていくことで人間の健康に影響を与える場合があります。食品などに含まれる有毒性は弱いものであることがほとんどであるため、少量を摂取するだけでは影響がなくても、取り込む頻度が多くなることで悪影響が出てしまいます。そして、取り込んだ時に影響が出なくても、長期間摂取することで時間がたってから害が出ることがあります。

化学物質は自分たちに直接の影響がなくても、製造・使用・廃棄する過程で環境への影響があり、健康被害につながることもあります。例えば、人に有毒性のある物質は、大気や水中・土壌に拡散されます。大気中に排出されたものは、呼吸をするときに取り込んでしまいますし、水中や土壌に落ちた有害物質は、私たちの食べる動物や植物を通して取り込まれます。

化学物質が人体に引き起こす害は、アレルギーの増加やがんの発症、奇形の赤ちゃんが生まれるなど深刻なものもあります。また、環境への影響も深刻になっています。それでも私たちの生活に化学物質は必要不可欠な存在となっているため、リスクを減らすための取り組みを主体的に行うことが大切になります。化学物質のリスクを減らすために最初にできるのは、自分の身の回りにあるものにどんな化学物質が使われているかを理解することです。化学物質の中には人間や環境に無害とされているものもありますが、自然界には存在しないものであるため、恒久的にまったくリスクがないとは言えません。それで、天然由来の製品に切り替えることも検討したり、買い物用のマイバッグを持参したり、ものを大切にして長く使うことも環境への影響を最小限にするのに役立ちます。