自宅で楽しめる化学的な実験は思いの外、沢山あります。


例を挙げるなら水の性質を利用した実験です。この実験にはコップ2個とハサミ、それから糸にテープが必要になります。もちろん水の性質を検証するため、水も必須ですが、一目瞭然にするために食紅や絵の具などで事前に着色しておくべきです。
準備するものが揃ったら、糸を丁度良い長さに切って水に浸して濡らします。


余分な水分を拭き取り、その糸の両方の先端を2つのコップの底にテープで貼り付けたら今度は片方のコップに着色した水を注いでいくだけです。あとは着色した水が注がれたコップを持ち上げ、繋いだ糸のハリを出しながら斜めに傾けていきます。通常ならそのまま零れてしまいますが、十中八九、着色した水はゆっくりと空のコップに糸を通して注がれていくはずです。


どうしてそうなるのか、この要因には分子が持っている分子間引力という力が関わっています。
分子間力とは分子同士が離れた場合に作用する電磁気学的な力で、この力によって分子は1つに結び合おうとするものです。コップ同士の距離は離れていたものの、水で濡らした糸にコップの着色した水が結合してそのまま糸をつたっていき、結果的に空のコップに移動ししていったというメカニズムとなります。


注意点を挙げるなら分子間引力が働いているとはいえ、零れる可能性があるので濡れても良い場所で行う事がおすすめです。応用すれば水ではなく、コーラやオレンジジュースなど移動させたい液体を変えて結果を出したうえで比較したり検証したりするのも面白いかもしれません。


他にも結果が出るまで時間がかかるものの、白い切り花を色水に挿して花弁を変色させる内容や開口部にポリ袋が張られたろうとの先端から思い切り息を吸うと絶対に破れる内容があります。前者は植物の毛管作用を用いたもので、後者は内側と外側の圧力の利用したものです。


また化学的な内容ではないものの、思考実験も気楽に自宅で楽しめます。
思考実験とは曖昧で概念的な問題に対して考察や回答をしていくもので、頭の中で想像していくのが通常とは異なるところです。言わば哲学ですが、その内容は非常に論理的になっています。代表的なものはトロッコ問題やシュレーディンガーの猫です。


あとはシュレーディンガーの猫の続きであるウィグナーの友人も挙げられます。
これは猫の生死を友人に頼み、ウィグナーは別室で待機している状態であるのが前提です。猫の生死が観測者で決定されるなら「いつ猫の生死は決まるのか」という疑問を投げかけています。
このように自宅で楽しめる検証は数多いわけです。