化学の基礎といえば元素の周期表ですが、知っている人も改めて確認すると新たな事実に気がつくことがあります。元素の周期表の概要を紹介すると、物質を構成する原子の名前に原子番号が当てられる形で順に並ぶのが特徴です。表の並び順は原子の電子配列に従うのが原則で、性質的に似ている元素が規則的に現れます。この為、一度覚えると似た性質の元素が探しやすく、化学の勉強や研究において何かと役立つことになります。

勿論、化学の分野で活躍しようとおもえば、元素の周期表を正しく全て頭に入れることが必要です。表の誕生は錬金術の時代にまで遡りますが、その時代からの化学者や物理学者、科学者達の地道な努力の積み重ねこそが現在の表の形です。つまり、人類の探究心や好奇心の集大成とも呼べるので、表から受ける印象は無機質的だとしても、実は裏に情熱が隠れています。一言で化学のバイブルなどと表現したりしますが、簡潔に表していると言い得て妙な表現だといえるでしょう。もしこの表がないとしたら、研究や教育の現場で支障をきたしますし、非効率的で手間が掛かるようになるはずです。

表はマス目状になっていますが、左上の水素に始まり、ヘリウムやリチウムとベリリウムに続きます。マス目には原子番号と元素記号、元素名の3要素が表記されます。水素とヘリウムは典型非金属元素といって、金属ではなく電導性を持たないのが特徴となっています。一方、リチウムやベリリウムは典型金属元素で、数ある金属のうち遷移金属にないものが当てはまります。遷移金属に当てはまるのはスカンジウムやチタン、バナジウムといった元素で、典型金属元素に該当しない金属元素が並びます。

表にはいくつかの分類があって、縦に並んだマスを比較すると族が分かります。族は属性が似通っていたり、原子量が多くなる傾向があるのがポイントです。しかし、族につけられる名称はアルカリ金属やアルカリ土類金属、ニクトゲンやカルコゲンなど統一感はないです。ハロゲンや希ガスも同様ですから、数字表記で覚えた方が直感的に理解しやすいでしょう。周期表を横に見ると今度は周期で、族ほど似通ってはいませんが、部分的に近似性が見られることで知られます。

ブロックは領域で分ける分類方法で、最外殻電子が元素の特徴に影響を与えることを考慮した分類です。周期表はこのように、元素の並び順に意味があるだけでなく複数の分類方法が存在しますから、元素を単なる数字や記号、名前で表記する以上に奥深いわけです。