化学というと、すぐに思い浮かべるのが化学反応式ではないでしょうか。大文字や小文字のローマ字や数字を使って方程式を組合わせていくという印象でしょう。これだけでも毛嫌いする方が多いのでは。
中学生や高校生のとき、化学の分野を学び、こんなもの役に立つのかな、とお思いの方が多いはずです。化学は反応式以外にも、さまざまな物質の構造や性質、物がどのように変化するか、など実際日常生活において化学という分野は必要とされ、なくてはならないものです。身近な化学例としての化学反応を挙げてみましょう。その前に現在使われている高校の化学の教科書に出てくる「化学反応式」の数は百以上あります。以前は二百以上ありましたがカリキュラムの改訂で数は減りました。世界史や日本史の年代や偉人名を覚えるのとは違って「化学反応式」は丸暗記するだけの価値はもともとないです。目に見えない反応ですからよくわからいかもしれませんが世の中に役立っており、どうように反応が起きているかを理解すると面白いし、楽しいです。例えばトイレの掃除のさい、塩素系と酸性系を混ぜると塩素が発生して、その塩素を吸うことで命を落とすことがあります。なぜこれら2つを混ぜるといけないのか。これは化学反応を知っていれば理解が深まります。薬もそうであり、薬が胃で溶けて、小腸で吸収されていくメカニズムです。薬の成分の化学構造式と体内の酵素の反応をいかに効率よくさせるかということです。これも反応のメカニズムを必要とします。ガスレンジの油落としにはアルカリ性洗剤でよく落ち、水垢には酸性洗剤でよく落ちるといったこともそうです。逆にしてしまうとなかなか落ちません。反応の理由がわかれば容易に納得できます。寒いときに使うカイロがなぜ温かいのか。これもカイロに含まれている鉄分などとの化学反応があります。夜空をきれいに彩る花火については火薬の種類や配合によっていろいろな化学反応の結果が生み出したものです。暑い日に水を庭にまくと涼しく感じられるのは水が周りの熱を吸収して気化熱を発生させるためのものです。石けんで汚れるがなぜ落ちるのか。自動車や工場の排ガスと太陽の紫外線によるダイオキシンの発生、フロンガスによるオゾン層破壊、冷蔵庫の冷媒と空気の圧縮による気温低下、カメラのネガフィルムと現像液を使った写真のプリントなどです。このように数えきれないほどの反応があります。中には非常に複雑な反応になっているのもあります。