シコニンとはムラサキ科ムラサキの根からとられる紫色の色素です。シコニンはいろいろなシーンで利用されていて、奈良時代において既に記録があり昔から染料として利用されていました。染色には乾燥した紫根などを粉にしたり、お湯で抽出して灰汁を使って媒染して染色する方法があります。紫根は日本薬局方において生薬シコンとして収録していて、抗炎症や創傷治癒の促進、殺菌作用などいろいろな効能があると言われています。江戸時代では病気の治療のために使用されていて、紫に染めた絹をはちまきにして頭に巻く人も多かったそうです。

身近な科学:シコニン

シコニンの化学について、黒田チカ氏は真島利行氏のもとでシコニンの化学構造を研究しました。残念ながら構造には少し誤りがありましたが、後でシコニンには旋光性を持っていることが分かります。修正構造が提出されていて、同じムラサキ科植物の根からシコニンの鏡像異性体とされるアルカニンが報告されています。工業的にムラサキの根から単離されるというより、植物細胞の培養により大量生産することが可能です。シコニンは昔から紫雲膏という軟膏として活用されていて、身近な科学として知られています。火傷などの治療にも使用されていて、以前家には紫雲膏があったという人もいるかもしれません。火傷以外にもいろいろな効果があり、天然保湿成分として注目されています。お肌を清潔に保つことがえきたり、ニキビや肌アレにも効果的です。殺菌作用があるのでニキビ予防に使うことができ、抗炎解毒作用があるのでできたニキビの回復の速度をアップする効果もあります。

跡が残りにくいという特徴もあり、抗炎作用によって痒みを伴うアトピーなどにも効果が期待することが可能です。細胞を元気にすることができ、お肌の生まれ変わりを助けてくれます。肌細胞を元気にする作用があるので、お肌のターンオーバーを正常化することが可能です。お肌をなめらかにすることができたり、メラニン排出をサポートするのでシミへの効果を期待できます。血行を改善することができるので、シミやクスミ・タルミなどにもアプローチ可能です。血行を良くすることができるので皮膚の代謝をアップすることができ、その結果クスミがとれたという人もいます。血行が改善されるとターンオーバーを促進し、必要な栄養分や酸素などが細胞に十分に送り込まれるようになるので、タルミの予防にも期待できます。現在シコニンはいろいろな化粧品に採用されていて、美肌成分として期待することが可能です。